前回は口臭の原因と洗口液についてお話ししましたので、今回は口臭と舌清掃についてお話しします。

 

前回、口臭の主体性とされるのは揮発性硫黄化合物(VSC)であるとお話ししましたが、その揮発性硫黄化合物(VSC)は舌の上で最も多く作られます。


【参考文献 洗口液なるほど活用術より引用】

 

ですので口臭を防ぐためには舌の清掃も必要になります。

 

〝舌ブラシ〞という言葉を聞いた事はありませんか?

 

その名の通り舌を磨くブラシの事です。

 

磨くと言っても、歯を磨く様にゴシゴシと擦るのではなく、優しく舌の上を撫でる様に使用します。

 

ではなぜ舌ブラシを使用することで口臭を防ぐ・改善することが出来るのかをお話しします。

 

口臭には生理的口臭と病的口臭がありますが、その原因のひとつとして舌苔(ぜったい:舌の表面につく白い苔状のもの)というものがあります。

 

舌苔(ぜったい)
舌の上に付着した灰白色の沈着物。
主成分はたんぱく質や細菌など、歯垢(しこう)と同じです。
舌苔は粘着質のため、水ですすいだ程度では落ちません。
舌苔そのものは病気ではなく歯垢のように舌に付着する汚れです。

 

お口の中にある細菌による分解で揮発性硫黄化合物(VSC)がつくり出され、舌苔となり口臭を引き起こします。

 

 

この舌苔の除去をすることが口臭を防ぐ・改善する方法のひとつになります。

 

ただし、舌苔は口臭がなく健康な舌にもある程度は付着した状態が正常になります。

舌苔が全く無い状態では口腔乾燥などが考えられますので、必ずしも完全に除去は出来ません。

あくまでも余剰に付着した舌苔を取り除くことが口臭予防につながります。

 

 

それでは、舌苔を除去することが出来る舌ブラシの使い方について説明します。

 

【舌ブラシの使い方】

①鏡を見ながら舌を思いきり前に突き出します。

②水で濡らした舌ブラシ(歯みがき粉は付けない)を鏡で見える最も奥に軽くあて、優しく手前に引きます。この時に息を数秒間止めながら行うと、嘔吐反射が出にくくなります。

③数回(3回程度)繰り返したらお口をゆすぎます。

 

舌苔の除去は期間が必要です。

舌苔の状態にもよりますが、舌がきれいになるにはある程度日数がかかります。舌苔除去は執拗に行わず、1日に1~2回程度で痛みを伴わないよう適度なところでとどめてください。
舌ブラシを用いて舌清掃する時間は就寝前や起床時が良いとされています。

就寝時は唾液分泌量が低下して嚥下頻度も少なくなり、機械的な刺激が減ることから舌苔がつきやすくなります。

そのため、起床時にはお口の中に舌苔が作られていますので舌ブラシを用いて清掃しましょう。

舌清掃について分からないことや不安なことがありましたら来院の際にお気軽にご相談ください。